第六話






だから 全部自分でやってみようと思ったんだ


でも 君が ここにいないんじゃ


どうやって示せばいいんだ?







なぜ私は泣いているのだろう。
乱暴だったから? 怖かったから?

確かに、怖かった。
痛かったし、つらかった。

でも私は彼の助けになりたかったんだ。どんな形であれ。
そして彼の望みをかなえたはずではないか。彼の言う通りにしたではないか。

なのに、何を私は悲しんでいる?



――サルメなら、もっと優しくお前を抱いただろうに。



……彼は、私を愛してなんかいなかったんだ。